ある日、友人の結婚式で撮った写真を見て、私は愕然とした。フラッシュの光で、私の頭頂部が想像以上に薄くなっていることがはっきりと写っていたのだ。「このままでは、モテないどころか、老けて見られるのではないか…」という不安が、私を支配した。それからというもの、人前で話すことや、写真を撮られることに抵抗を感じるようになった。しかし、このまま消極的な人生を送るのは嫌だという思いが日に日に強くなっていった。そこで、私は薄毛の悩みに正面から向き合うことを決意した。まず、専門のクリニックを受診し、AGAの診断を受けた。医師からは、早期治療が重要であること、そして治療を継続することの必要性を説明された。最初は半信半疑だったが、藁にもすがる思いで治療を開始した。内服薬と外用薬を指示通りに使用し、定期的にクリニックに通って経過観察を行った。同時に、食生活の改善や適度な運動を取り入れ、心身の健康にも気を配った。最初の数ヶ月は、目に見える変化が少なく、本当に効果があるのかと不安になったこともあった。しかし、担当医の励ましと、諦めずに続けることの重要性を信じ、努力を続けた。半年、1年と経つうちに、抜け毛が減り、少しずつではあるが、髪の毛が太くなっていることを実感できるようになった。そして、何よりも、薄毛の悩みに積極的に取り組むことで、私自身の考え方や行動にも変化が現れた。以前はネガティブ思考だったが、今では何事にも前向きに取り組めるようになった。薄毛は私にとって、人生を見つめ直し、新しい自分を発見するきっかけとなったのだ。