薄毛対策としてツボ押しを始めるにあたり、まずは数あるツボの中でも、特に頭皮の血行促進や自律神経の調整に効果が期待できる、代表的な五つのツボを覚えておくと良いでしょう。それぞれの場所と正しい押し方をマスターし、日々のセルフケアに取り入れてみてください。一つ目は、万能のツボとして知られる「百会(ひゃくえ)」です。場所は、頭のてっぺん、両耳の最も高いところを結んだ線と、顔の中心線(眉間から鼻を通る線)が交差する、少しへこんだ部分にあります。百会は、全身の気が集まる場所とされ、ここを刺激することで、頭部全体の血行を促進し、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。押し方は、両手の中指を重ねてツボに当て、心地よいと感じる強さで、垂直にゆっくりと五秒かけて押し、五秒かけて離す、という動作を繰り返します。二つ目と三つ目は、首の後ろの生え際にある「風池(ふうち)」と「天柱(てんちゅう)」です。風池は、うなじの外側のくぼみ、天柱はそこから指一本分内側に入った、太い筋肉の外側にあります。この二つのツボは、頭部への血流の関所とも言える重要なポイントで、ここをほぐすことで、肩や首の凝りを解消し、頭皮への血流を劇的に改善します。両手の親指をそれぞれのツボに当て、残りの指で頭を支えるようにしながら、頭の重みを利用して、ぐーっと押し上げるように刺激するのがコツです。四つ目は、耳のすぐ上、髪の生え際あたりにある「角孫(かくそん)」です。耳を前に折り曲げた時に、先端が当たる場所が目安です。角孫は、側頭部の血行を促進し、特に側頭部や生え際の薄毛に効果的とされています。人差し指か中指の腹で、円を描くように優しくマッサージするのも良いでしょう。最後に五つ目は、後頭部の中心、髪の生え際から少し上にあるくぼみ「瘂門(あもん)」です。このツボも、後頭部全体の血流改善に繋がり、風池や天柱と合わせて刺激することで、より高い効果が期待できます。これらのツボ押しは、一度に全て行う必要はありません。気持ち良いと感じるものを中心に、一日五分程度、リラックスできる時間に行うのが、長く続けるための秘訣です。
これだけは押さえたい育毛に効く頭の重要ツボ五選